健康長寿研究 SONIC

健康長寿研究会 大阪大学 東京都健康長寿医療センター研究所

調査概要Summary

概要

 健康長寿研究(SONIC)は、①加齢に伴う心身の変化を明らかにすること、②健康に長生きする方にはどのような特徴があるのか、という2つの疑問を明らかにするために2010年に開始した調査です。「加齢」による変化を明らかにするためには、長期間にわたってその人を追跡する必要があります。そこでわたしたちは、70歳、80歳、90歳の方々を3年ごとに調査させていただく縦断研究調査と、より高齢である100歳の方々を対象にした調査を並行して実施しています。調査フィールドは、兵庫県の伊丹市と朝来市、東京都の板橋区と西多摩地区(檜原村、奥多摩町、日の出町、青梅市)で、自治体の協力も得ながら調査を行っています。
 SONICの特徴は大きく分けて3つあります。

  1. 調査対象の方の年齢を狭い年齢(3年)に絞っていることです。例えば、70歳の参加者の方は、2010年に69歳から71歳の方々ですし、2013年の2回目調査に参加していただいた時は、だいたい72歳から74歳の範囲になります。
  2. 関西と関東の都会と山間部の計4つの地域で調査を行っていることです。そうすることで、1つの地域だけでは検証することが難しい「地域によって健康長寿に与える影響が異なるのか」という問題を検討することができると考えています。
  3. さまざまな学問分野による共同研究であるということです。SONICには、生物学、医学、歯学、看護学、栄養学、心理学、社会学の研究者が参画しています。さまざまな学問分野の研究者が協力することで、人の老化や健康長寿の要因という非常に複雑な問題の理解が進むと考えています。

協力者の推移

表1. 70歳調査の参加者内訳
2010 2013追跡
(追跡率)
2013新規 総参加者
関西 伊丹市 250 200
(80.0%)
46 296
朝来市 243 158
(65.0%)
46 289
関東 板橋区 239 175
(73.2%)
107 346
西多摩地区 檜原村 39 20
(51.3%)
5 44
奥多摩町 68 35
(51.5%)
5 73
日の出町 161 93
(57.8%)
21 182
1000 681
(68.1%)
230 1230
表2. 80歳調査の参加者内訳
2011 2014追跡
(追跡率)
2014新規 総参加者
関西 伊丹市 317 197
(62.1%)
92 409
朝来市 195 109
55.9%
50 245
関東 板橋区 269 170
(63.2%)
63 332
西多摩地区 檜原村 17 12
(70.6%)
1 18
奥多摩町 47 22
(46.8%)
7 54
日の出町 45 25
(55.6%)
17 62
青梅市 83 35
(42.2%)
11 94
973 570
(58.6%)
241 1214
表3. 90歳調査の参加者内訳
2012 2015 総参加者
継続参加
(追跡率)
90歳初参加
93歳初参加
関西 伊丹市 72 30
(41.7%)
93 187
22
朝来市 36 26
(72.2%)
56 97
5
関東 板橋区 130 53
(40.8%)
97 255
28
西多摩地区 檜原村 3 1
(33.3%)
5 9
1
奥多摩町 8 3
(37.50%)
8 17
1
日の出町 14 5
(35.7%)
7 21
0
青梅市 9 2
(22.2%)
2 12
1
272 120
(44.1%)
268 598
58

調査の内容

 調査ではどのような検査を行うのかを簡単にご紹介します。検査は専門のスタッフが実施しています。また、会場には医師が複数名いますので、検査を受けている間に不安があれば、その場で遠慮なくお申し出ください。

① 医学検査・採血

-問診医師・看護師がこれまでにかかった病気や現在の病気、服薬の状況などを問診します。
-エコー首の動脈(心臓から脳に向かう最も太い血管)のエコー検査により動脈硬化の程度を検査します。
-身体計測身長・体重・胴回りに加えて、腕の長さや皮下脂肪の厚み、(ペースメーカーをお使いでない方のみ)体組成計による内臓脂肪量や筋肉量の計測を行ないます。
-肺活量関西地区70歳代、80歳代の方のみに実施しています。息を出来る限り吸い込んだ後に吐き出すことの出来る息の量を計測することにより、肺の換気能力を検査します。
-検尿関東地区のみで実施しています。少量の尿からたんぱく質や糖などを解析し、腎臓系や泌尿器の疾患の有無を検査します。
-採血血糖値やコレステロール値といった通常の健康診断と同様の検査に加えて、遺伝子の解析を行ないます。
医学検査・採血 医学検査・採血

② 歯学検査

-口腔内単に歯や義歯(入れ歯)を検査するだけではなく、咬合力(咬み合わせ)や嚥下(飲み込み)を検査します。
-栄養調査日常の食事をもとに回答する調査票で、体内に取り込んでいる食品や栄養素を把握することにより栄養状態を評価します。
歯学検査 歯学検査

③ 認知機能検査

 いわゆるあたまの働き具合の検査で、簡単な問題から少し難しいと感じる問題まであります。検査者が出した質問にお答えいただき進めます。

認知機能検査

④ 運動機能検査

 バランス能力や普段の歩くスピードなどを計測します。激しい運動は含まれません。普段の生活で杖や車椅子、シルバーカーをお使いの場合、また検査の実施に不安のある方には、安全にかつ可能な範囲で実施しています。

運動機能検査 運動機能検査

⑤ アンケート・インタビュー

-アンケート主にこころの状態をお聞きします。精神的健康や生活の自立度などについて「そう思う」「どちらでもない」「そう思わない」などの選択肢から選んでお答えいただきます。
-インタビュー最近の仕事や家事以外の余暇活動、これまでのお仕事や家事の経験についてお聞きします。
アンケート・インタビュー アンケート・インタビュー

倫理指針

 SONICでは、関係する法令および指針を遵守し、各機関において定められた倫理審査で承認を得たうえで研究を進めております。研究成果については、当ホームページや学会発表、学術論文などを通して公開しております。なお、個人情報はご協力いただいた皆様に危険や不利益が一切生じることのないよう厳密に管理しております。

研究費

 SONICは、下記の研究費により実施しています。協力者の皆様には、医学・歯学検査を受けるにあたって一切の金銭的負担はありません。

① 競争的資金

氏名(課題採択時の所属)研究課題名
権藤 恭之
(大阪大学人間科学研究科)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)年齢と余命に関連する2つの過程が高齢者の幸福感に与える影響の長期縦断的検証(課題番号17H02633)(2017.4~2022.3)New!
  • 平成29年度公益財団法人たばこ総合研究センター 嗜好品の摂取が、高齢者の認知機能および幸福感に与える影響に関する縦断的検討(2017)New!
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B) 超高齢社会に向けたサクセスフルエイジングモデルの再構築への挑戦(課題番号26310104)(2014.7~2017.3)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C) 加齢に伴うポジティブ感情の上昇と認知資源との逆説的関連仮説の検証(課題番号26380882)(2014.4~2017.3)
  • 平成26年度大阪ガスグループ福祉財団「調査・研究助成」高齢者の健康を高める、実践知の集約‐健康長寿達成者の生活から健康長寿の方略を学ぶ-
  • 2013年度大阪大学HUMAN SCIENCE助成 高齢期の健康アウトカムに与える社会資本と遺伝の影響(メンバー:権藤恭之、中川威、上田博司)
  • 文部科学省科学研究費補助金挑戦的萌芽 高齢期の認知、感情に与える遺伝と環境の交互作用の検証(課題番号24653194)(2012.4~2014.3)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B) 適応方略から超越へ:高齢期の心理的適応プロセスの移行に関する調査研究(課題番号21330152)(2009.4~2013.3)
中川 威
(大阪大学人間科学研究科)
  • 大阪大学未来知創造プログラム 超高齢期における虚弱と適応:生物心理社会的アプローチ(メンバー:中川 威、安元佐織、松田謙一、樺山 舞)(2014~2016)
  • 文部科学省科学研究費補助金若手研究(B) 高齢期における感情発達に関する縦断研究および実験研究(課題番号25780388)(2013.4~2016.3)
上田 博司
(大阪大学人間科学研究科)
  • 2014年度大阪大学HUMAN SCIENCE助成 高齢期の健康アウトカムに与えるソーシャルキャピタルの同定と影響(メンバー:上田博司、安元佐織、権藤恭之、中川威)
安元 佐織
(大阪大学人間科学研究科)
  • 2015年度大阪大学HUMAN SCIENCE助成 超高齢期の健康アウトカムに与える社会資本と社会関係資本の影響(メンバー:安元佐織、権藤恭之、中川威)
小園 麻里菜
(大阪大学人間科学研究科)
  • 文部科学省科学研究費特別研究員奨励費(DC2)高齢期における余暇活動が認知機能に与えるメカニズムの解明(課題番号16J02993)(2016.4~2018.3)
楽木 宏実
(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 平成28年度 AMED循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業 糖尿病・耐糖能異常におけるサルコペニアの実態調査とリスク因子の抽出(2016.4~)
神出 計
(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C) 超高齢者の高血圧治療管理基準値の設定(課題番号15K08910)(2015.4~2018.3)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)  老化関連遺伝素因が健康長寿に及ぼす影響:老化表現型に関するゲノム疫学研究基盤整備(課題番号22510211)(2010.4~2013.3)
  • 平成25年度第22回公益財団法人ファイザーヘルスケアリサーチ振興財団研究助成 高齢者における生活習慣病管理と認知機能障害の関連性(2013.12~2014.11)
  • 平成23年度第58回財団法人千代田健康開発事業団医学研究助成 都市部と過疎地域の地域住民を対象とした健康長寿要因の探求 -関西健康長寿研究-
  • 平成22年度第24回ノバルティス老化および老年研究基金 老化・長寿関連遺伝子の遺伝素因が心・血管・腎疾患の成因に及ぼす影響の検討
  • 平成21年度第23回大阪ハートクラブ医学研究助成 循環器系薬剤・長寿関連遺伝子の健康寿命への寄与 -大阪百寿者研究-
杉本 研
(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 平成26年度長寿医療研究開発費25-11「フレイルの進行に関わる要因に関する研究」
小黒 亮輔
(大阪大学医学部附属病院)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C) 高齢者メタボリック症候群における遺伝子発現制御機構の解明(課題番号26460905)(2014.4~2017.3)
樺山 舞
(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C) 地域介入実践に活用可能なソーシャルキャピタルの測定/評価指標の開発と可視化(課題番号16K12336)(2016.4~2019.3)
  • 平成26年度第23回公益財団法人ファイザーヘルスリサーチ振興財団研究助成 地域在住高齢者のソーシャルキャピタルと健康長寿延伸(2014.12~2015.11)
関口 敏彰
(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 文部科学省科学研究費補助金若手研究(B)地域在住高齢者の健康寿命延伸に資する腎機能保持を考慮した栄養摂取量の検討(課題番号17K17553)(2017.4~2020.3)New!
  • 平成28年度財団法人三井住友海上福祉財団研究助成金 大規模長期縦断調査とプロテオミクス解析による初期フレイルのバイオマーカー探索(2016)
池邉 一典
(大阪大学大学院歯学研究科)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)  高齢者の口腔機能と精神的・身体的老化度ならびに長寿との関連:百寿者を中心に(課題番号23390440)(2011.4~2015.3)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)  口腔機能維持による健康寿命延伸のエビデンスの確立:2000人の6年間コホート研究(課題番号15H05025)(2015.4~2018.3)
前田 芳信
(大阪大学大学院歯学研究科)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)  口腔機能の向上が栄養改善を介して高齢者の認知・運動機能を維持・向上する過程の検証(課題番号16H05523)(2016.4~2019.3)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)  咀嚼機能低下と動脈硬化・認知機能との関係:特に遺伝要因との交互作用の検討(課題番号25293394)(2013.4~2016.3)
  • 厚生労働科学研究費補助金 70歳、80歳、90歳の高齢者の歯、口腔の状態が健康長寿に及ぼす影響についての前向きコホート研究(課題番号H26-循環器等(政策)-一般-002)(2014.4~2016.3)
猪俣 千里
(大阪大学大学院歯学研究科)
  • 文部科学省科学研究費補助金若手研究(B) 70歳、80歳高齢者における口腔機能とサルコペニアについての6年間の前向き研究(課題番号17K17844)(2017.4~2019.3)New!
  • 文部科学省科学研究費研究活動スタート支援 80歳ならびに90歳高齢者の口腔機能と栄養摂取,サルコペニアについての前向き研究(課題番号 A15H063920)(2015.9~2017.3)
増井 幸恵
(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 亀岡市委託事業 高齢期の幸福度に関する調査に係る分析(2017.4~2018.3)New!
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C) 高齢期のライフイベントへの心理的適応過程-老年的超越の役割の縦断的検討-(課題番号15K04176)(2015.4~2018.3)
  • 明治安田こころの健康財団研究助成金 後期高齢者の精神的健康に及ぼす老年的超越の影響の縦断的検討-ネガティブイベントの悪影響に対する緩衝効果の検討-(2014.10~2015.9)
  • 興亜福祉財団研究助成金 高齢者の精神的健康の維持に寄与する対人関係のあり方に関する研究-老年的超越の発達を指標として(2012.10~2013.9)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)  高齢期の身体的問題に対する心理的適応過程の解明-老年的超越の役割の縦断的検討-(課題番号24530905)(2012.4~2015.3)
小川 まどか
(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 文部科学省科学研究費補助金若手研究(B)  高齢者が暮らす居宅の温熱環境が血圧・認知機能に及ぼす影響に関するフィールド研究(課題番号16K16254)(2016.4~2019.3)
  • 文部科学省科学研究費補助金若手研究(B)  高齢者の余暇活動の定量的評価法の開発と認知機能との関係(課題番号25780401)(2013.4~2016.3)
石岡 良子
(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 文部科学省科学研究費補助金若手研究(B) 中年期の職業性ストレスと仕事の複雑性が高齢期の認知機能に及ぼす影響の検討(課題番号26780377)(2014.4~2016.3)
栗延 孟
(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 文部科学省科学研究費補助金若手研究(B)  要介護高齢者を対象とした「役割」が意識できるプログラムの開発と効果の検証(課題番号16K21696)(2016.4~2019.3)
三浦 ゆり
(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)健康長寿の指標となる糖鎖構造とその生物学的意義の解明(課題番号16K01852)(2016.4~2019.3)
  • 平成28年度財団法人三井住友海上福祉財団研究助成金 大規模長期縦断調査とプロテオミクス解析による初期フレイルのバイオマーカー探索(2016)

② その他の資金

氏名(課題採択時の所属)研究課題名
石崎 達郎
(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 東京都健康長寿医療センター研究所 長期縦断研究SONIC研究(2011年度~)

研究計画

 現在実施している研究の計画書を掲載します。研究課題名をクリックすると詳細等のファイルをご覧いただくことができます。

責任者(所属) 研究課題名
石崎 達郎
(東京都健康長寿医療センター研究所・
研究部長)

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